産後うつとは?症状・原因・なりやすい人・予防法・治療法を解説!

PRあり2023/08/10 2023/07/12

これから出産を迎えるママパパにとって気になることの1つが「産後うつ」。産後、不安やつらさなどを感じる女性がほとんどだと思いますが、ひどいとうつ状態になってしまう方もいるのです。

この記事では、産後うつの症状や受診の目安、マタニティーブルーとの違い、原因、予防法、治療法などについて詳しく解説します。

産後うつとは?

産後うつ(産後うつ病)とは、出産後にしばらく続く、極度の悲しみや、それに伴う心理的障害が生じる状態を指します。

持続期間は数週間ほどのこともあれば数ヶ月以上にわたることもあり、治療しなければ数年続くこともあります。たいていは3ヶ月ほどの期間で徐々に症状が現れるとされています。

なお、産後うつは女性だけに起こるものではなく、男性が発症することもあります。

産後うつの症状・受診の目安

産後うつになると、以下のような症状が現れます。

・極端に悲しくなる
・泣き叫んでしまう
・頻繁に泣いてしまう
・不安を感じる
・気分が変動しやすくなる
・怒りっぽくなる
・日常活動や子どもへの関心が失われる
・気力がなくなる
など

出産後2週間以上にわたって悲しい気持ちが続く、日常生活がつらい、自分や子供を傷つけたいと気持ちがあるといった場合は、早めに主治医に相談したほうがよいでしょう。

なお、産後うつによって子どもとの絆を十分に築けないケースもあり、後になってから子供に情緒的・認知的・社会的な問題が生じることもあります。そのため、産後うつは自分だけの問題ではなく、子供にも多大な影響を与えてしまうのです。

その他の症状

その他に、以下のような症状が現れることもあります。

・不安発作やパニック発作が起きる
・自殺したくなる
・子供の世話ができなくなる
・母親として不適切だと思ってしまう
・子供を傷つけてしまうのではないかと怖くなる
・子供がかわいいと思えない
・上記のような感情に対する罪悪感を抱く
・頭痛や全身の痛み
・極度の疲労感、だるさ
・日常生活が困難になる
・身なりに気を遣わなくなる
・睡眠障害(過眠または不眠、眠りが浅い)
・性行為などへの興味がなくなる
・食欲がなくなる、または過食になる
・吐き気
など

産後精神病の症状

極めてまれに、産後精神病を発症する方もいます。産後精神病は、産後うつ病よりもさらに重度の病気です。

産後精神病の場合、産後うつの症状に加えて以下のような症状が生じることがあります。

・自殺したくなる
・暴力的な思考になる
・奇異な行動をとる
・幻覚を見る
・子供を傷つけたいと思う

自傷行為などをしてしまい、命にかかわることもあるため注意が必要です。

マタニティ―ブルーとの違い

出産後3日以内に、悲しさや惨めさといった気持ちになることをマタニティーブルーといいます。産後うつとの大きな違いは継続期間。マタニティ―ブルーは2週間以内におさまることが多いです。マタニティ―ブルーは多くのお母さんが経験するため、過度に心配する必要はありません。

一方、産後うつは症状がさらに深刻かつ2週間以上続きます。

ただし、簡単に自己判断ができるわけではないので、気になる気持ちの変化や症状があれば、早めに医師に相談するとよいでしょう。

産後うつの原因・リスク因子

産後うつの原因ははっきりわかっていませんが、以下のような要因が関係すると考えられています。

・マタニティーブルー
・出産までに発症したうつ病
・ストレス(夫婦関係、経済的な問題、パートナーの不在など)
・パートナーや家族によるサポート不足
・妊娠に関連する問題(計画外の妊娠、早産、子どもの発育に関することなど)
・授乳に関連する問題
・出産後の女性ホルモンなどの急激な低下
・睡眠不足
・遺伝
など

ストレスについて

産後うつ発症の要因にはさまざまなことが考えられますが、やはり大きいのは、生活の変化に伴う疲れやストレスでしょう。

ただでさえ疲れやストレスがたまっているのに、産後は女性ホルモンの分泌量が変化するため、脳のストレス耐性が低下しており、ストレスを処理しにくくなっています。そのため余計にストレスがかかり、不安なども増した結果、産後うつに陥りやすいと言われています。

産後うつになりやすい人

以下に当てはまる場合は産後うつになりやすい傾向があります。

・マタニティ―ブルーになった
・うつ病になったことがある
・以前産後うつ病になったことがある
・近親者にうつ病経験者がいる
・PMS(生理前にさまざまな症状が起こるもの)による悲しみや抑うつがあった
・経口避妊薬の服用中に、悲しみや抑うつがあった
・ストレスを抱えている
・妊娠・授乳・子供のことに関連した問題を抱えている
・ワンオペ育児をしている
・睡眠不足になっている
・真面目で完璧主義な性格
・責任感が強い

なお、妊娠前からうつ病が続いているような場合は特に産後うつ病になりやすいため、主治医などに必ず伝え、十分な対策を講じましょう。

産後うつの予防法

産後うつを予防するには、無理せず、あまり頑張りすぎないようにしましょう。できる限り休息をとり、時には周囲を頼ることも大事です。そして、少しでもつらいと思ったら家族や周りの人に助けを求めましょう。

以下のようなことを心がけるのもポイントです。

・できるだけ休む、睡眠をとる
・完璧を目指さず、適度に手を抜く
・自分の気持ちを家族や友人に話す
・他のお母さんと子育てについて話す
・旦那さんやパートナーと2人だけで過ごす時間をつくる
・疲労、集中力の低下、不安などは育児にはつきものであり、そのうちおさまるものだと認識しておく
・毎日シャワーを浴びる
・毎日服を着替える
・できるだけ外出する
・家族や友人に助けを求める
・うつ病の女性向けの支援グループに参加する
など

産後の女性が不安になるのは当然のことです。もしマタニティ―ブルーのような悲しい気持ちになっても、その時点で家族などのサポートがあれば、治療が必要になるようなことはほとんどないと言われています。

産後うつの治療法

産後うつ病と診断された場合は、精神療法や抗うつ薬を組み合わせた治療が必要となることが一般的です。母乳育児をしている場合でも服用できる薬はあるので、医師に伝えた上で、適切な薬を処方してもらうとよいでしょう。

なお、気になる症状がある場合は、出産時の主治医や、精神科、心療内科に相談しましょう。