産後の回復期の過ごし方は?産褥期の期間ややってはいけないことも解説!

PRあり2023/08/10 2023/07/12

産後は、妊娠で大きく変化したり、出産でダメージを受けたりした体をしっかり回復させることが大切です。この記事では、産後の回復期「産褥期(さんじょくき)」の過ごし方について詳しく解説します。

産後の回復期「産褥期」は6~8週間程度

産後の女性が妊娠する前の状態に回復するまでの時期を、「産褥期(さんじょくき)」といいます。「産後の肥立ち」と呼ばれることもあり、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

産褥期の期間はだいたい6~8週間程度といわれています。

この時期は、会陰切開や帝王切開による傷も完治しておらず、妊娠・出産によって開いた骨盤も戻っていないため、安静が必要です。

また、女性ホルモンの分泌が急激に減ったり、子宮が元の大きさに戻るために収縮したり、体も心も大きく変化し不安定な状態にあるため、さまざまな不調が出やすい時期でもあります。

産後の回復のための過ごし方

産後の回復のためには、とにかく安静が必要です。6~8週間ほどかけて徐々に元の生活に戻れるように、時期ごとの過ごし方を解説します。

産後3週間頃までは安静に

産後3週間頃まではとにかく安静に。昔は産後はいつでも横になれるように布団を敷いたままにし、産後3週間頃にその布団を片付けることを「床上げ」と言っていました。

現代でも同じように、産後3週間頃まではできるだけ横になって過ごし、授乳やおむつ替えなどの最低限のお世話だけにとどめるようにしましょう。

家事やその他の育児はできる限り家族にサポートしてもらってください。家族のサポートが受けられない場合は、家事代行サービスなどを利用するのも一つの方法です。

まずは簡単な家事から

産後3週間を過ぎても、いきなり元の生活に戻るのはNG。まずは簡単な家事から再開しましょう。体はまだ完全に回復していないので、途中でつらくなったらすぐに休むなどし、無理は禁物です。長時間の立ち仕事などもやめましょう。

産後5~8週間を目安に少しずつ普段の生活に

回復に必要な期間には個人差がありますが、だいたい産後5~8週間を目安に、少しずつ普段の生活に戻っていくとよいでしょう。

ただ、体が完全に元の状態に戻るには1年程度かかる方もおり、まだまだ本調子ではありません。育児で多忙かつストレスフルな日々が続くため、産褥期が終わっても無理しないようにしましょう。

産後の回復をスムーズにするためのコツ

産後の回復をスムーズにするために、以下のようなことにもチャレンジしてみましょう。

・産褥体操
・骨盤ケア
・栄養をしっかりとる

産褥体操

産褥体操は、肛門を締める、足首を動かすなどの簡単な動きで子宮の回復や血流促進、ゆるんだ骨盤底筋の改善などを目指すものです。適度に体を動かすことで、ストレス解消にもつながるでしょう。

ただし、産後は体が大きなダメージを受けている時なので、やり方を間違えると逆効果になることも。産褥体操の指導を行っている産院もあるため、退院前にやり方を聞いておくのがおすすめです。

骨盤ケア

産後は骨盤がゆるみ、開いた状態になっており、これを放置したままだと腰痛や下半身太りの他、尿漏れの原因となることもあります。そのため、産後は早めの骨盤ケアが大事です。

まずは骨盤ベルトをしめることから始めましょう。方法を間違えるとかえって骨盤の状態が悪くなることもあるため、入院中に助産師さんなどに正しい方法を確認するのがおすすめです。

なお、骨盤ケアで有名なものに骨盤矯正があります。これは整体や整骨院などで受けられる施術で、指圧したり体を動かしたりしながら骨盤を元に戻すものです。骨盤矯正の開始時期は、早くても産後1ヶ月頃です。1ヶ月検診で、骨盤矯正を受けてもよいか確認してから始めましょう。

栄養をしっかりとる

体力回復やスムーズな母乳育児のためにも、ビタミンやタンパク質、鉄分、カルシウムなどをしっかりとることが大事です。

また、産後に注目したい食材に、ツバメの巣があります。ツバメの巣と言えば中華料理における高級食材ですが、実は健康や美容においてさまざまな効果が期待できるとも言われています。中国では産後ケアの定番食材としても知られており、日本でもゼリータイプの食べやすいサプリメントなどがあります。

産後の回復期にやってはいけないこと

産後の回復期にやってはいけないのは、以下のようなことです。

・長時間の外出
・過度のダイエット
・激しい運動
・入浴
・水仕事
・目の酷使
・性行為
・カフェインの過剰摂取
・飲酒
・喫煙
など

詳しく見ていきましょう。

長時間の外出

不要な長時間の外出は控えましょう。体に余計な負担がかかるもとです。お母さんも赤ちゃんも、外出できる目安は1ヶ月検診頃から。まずは近所を散歩したり、簡単な買い物に行ったりするレベルから始めましょう。

過度のダイエット

産後は体型が気になるお母さんも多いと思いますが、無理な食事制限を伴うような過度のダイエットは避けましょう。体力回復の妨げになったり、母乳育児に必要な栄養がとれなかったりと、デメリットが多いためです。

激しい運動

ダイエット目的で運動をしたいお母さんもいると思いますが、産後の体は想像以上にダメージを受けているため、激しい運動はNG。体に負担がかかる筋トレやジョギングなどは控えましょう。

1ヶ月検診で医師からOKがもらえれば、簡単なストレッチやヨガなどの運動から取り組みましょう。

入浴

産後しばらくは湯船につからず、シャワーのみにしましょう。開いた子宮口から細菌などが入り、感染症が起きる可能性があるためです。

子宮口が閉じるには3~4週間かかるといわれているため、1ヶ月検診で医師に診てもらい、入浴してもよいか確認するのがおすすめです。

水仕事

冷えると血流が悪くなり、産後の回復が遅れる原因となります。さらに、疲れ、頭痛、肩こり、生理不順といったさまざまな不調にもつながるため、洗い物をしたり、冷たい水に長時間ふれるような家事や仕事はしないようにしましょう。

また、産後はホルモンバランスの変化によって体が冷えやすい状態になっています。水仕事は冷えに拍車をかけるので注意してください。

目の酷使

産後は体力が低下し、疲れやすくなっています。そんな時に目を酷使すると体の回復の遅れにつながることも。

テレビやスマホ、パソコンなどは極力見ないようにし、時間があるときは体を休めるようにしましょう。

性行為

体の回復が不十分で、悪露が続いていたり、会陰切開や帝王切開の傷も完治していない状態では、性行為は控えるべきです。

再開の目安は産後の1ヶ月検診以降。ただし、回復には個人差もあるので、検診の際に医師に確認をとると安心です。

カフェインの過剰摂取

カフェインを摂りすぎると眠りにくくなるため、しっかり休んで体力回復に努めたい産後にはよくありません。

また、カフェインが母乳に移行し、赤ちゃんが眠りにくくなることもあるため注意しましょう。

日本では、産後・授乳中のカフェイン摂取量に明確な基準は示されていませんが、全国清涼飲料連合会のガイドラインでは、100mlあたりのカフェイン量が21mg以上の清涼飲料水(エナジードリンクを含む)には、授乳中の方などに対して飲用を控える表示をすることになっています。

睡眠もなかなかとれない中で、エナジードリンクを飲みながら頑張っている方もいるかもしれませんが、エナジードリンクにはカフェインがたくさん含まれていることが多いため注意が必要です。

飲酒

体力が低下している産後は、飲酒もすべきではありません。

また、アルコールが母乳の分泌を促すホルモンの働きを抑制し、母乳の量が少なくなったり、アルコールが母乳に移行して赤ちゃんの成長に悪影響を与えたりするというデメリットもあります。

喫煙

喫煙は産後の体力回復に悪影響となることがあります。

また、タバコに含まれるニコチンは、母乳の分泌を促すプロラクチンというホルモンの分泌を抑制し、母乳が出づらくなるデメリットも。

さらに、ニコチンが母乳に移行して赤ちゃんがニコチン中毒になったり、タバコの煙によって赤ちゃんの呼吸器疾患や、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まったりするなど、赤ちゃんにもさまざまな影響を及ぼすため、産後も喫煙はやめましょう。