生理の量が多いと感じたら?「過多月経」の原因と見分け方

生理の量が多くてつらい、ナプキンがすぐにいっぱいになる…これって普通?もしかして過多月経?と感じている方は少なくありません。
経血量が多すぎると、日常生活に支障をきたすだけでなく、貧血が進んだり、重大な病気が隠れていたりする可能性もあります。
この記事では、過多月経の目安、考えられる原因、つらい症状やリスク、そして病院でできる検査や治療法、日常生活での対策まで、専門的な知見をもとに分かりやすく解説します。
あなたの不安を解消し、適切な対処法を見つける手助けになれば幸いです。

過多月経とは?目安と定義

「過多月経」とは、一般的に月経量が異常に多い状態を指します。医学的な定義としては、月経期間中の総経血量が140mlを超える場合とされています。ただし、実際に経血量を正確に測ることは難しいため、主に自覚症状によって判断されます。

正常な月経期間は3~7日、経血量は20~140ml、周期は25~38日とされています。これに対し、過多月経の場合は、月経期間が長引いたり、出血量が著しく多かったりといった特徴が見られます。

具体的な目安としては、以下のようなサインがないかチェックしてみましょう。

  • 昼間でも1~2時間おきにナプキンを交換しないと漏れてしまう。
  • 夜間にもナプキン交換のために起きる必要がある。
  • 大きなレバー状の血の塊(2~3cm以上)が頻繁に出る。
  • 月経期間が8日以上続く。
  • 生理期間中にめまいや立ちくらみ、息切れなどが起こりやすい。
  • 日常的に疲れやすさを感じる。

これらの症状が複数当てはまる場合、過多月経の可能性が高いと考えられます。

過多月経のセルフチェックリスト

ご自身の生理の状況が過多月経に当てはまるかどうか、以下のリストでセルフチェックしてみましょう。

  • 月経期間が8日以上続くことがある
  • 昼用のナプキンでは追いつかず、昼間も夜用や特に吸収量の多いタイプを使っている
  • 昼間でも1~2時間おきにナプキンを交換しないと不安になる
  • 夜用のナプキンでも朝まで持たず、夜間も交換が必要なことがある
  • 生理中にショーツや服を汚してしまうことがある
  • 生理中に直径2~3cm以上のレバー状の血の塊が出ることがよくある
  • 生理中は、経血量が多くて外出や仕事、学校など、いつもの活動が制限される
  • 生理期間中や生理後に、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れなどを感じることが多い
  • 健康診断などで貧血を指摘されたことがある(特に鉄欠乏性貧血)
  • 以前に比べて経血量が明らかに増えた、または生理痛が強くなった

チェックが入る項目が多いほど、過多月経である可能性が高まります。これらの症状に心当たりがある場合は、一度婦人科で相談することをおすすめします。

過多月経になる主な原因

過多月経の原因は一つではなく、さまざまな要因が考えられます。大きく分けて、子宮や卵巣自体に病気がある「器質性疾患」と、ホルモンバランスの乱れなどによる「機能性疾患」、そして一時的なホルモンバランスの変動などが挙げられます。

器質性疾患が原因の場合

子宮や卵巣などの生殖器に何らかの病気があり、それが出血量を増やしているケースです。過多月経の原因として最も多いのはこのタイプです。

  • 子宮筋腫: 子宮の筋肉にできる良性のこぶです。できる場所や大きさによって症状は異なりますが、子宮の内側にできるもの(粘膜下筋腫)や、子宮の壁の中にできるもの(筋層内筋腫)が大きいと、子宮内膜の表面積が増えたり、子宮の収縮が妨げられたりして、経血量が著しく増加することがあります。生理痛や腰痛、貧血などを伴うことも多いです。
  • 子宮腺筋症: 子宮内膜に似た組織が子宮の筋肉内に入り込んで増殖する病気です。子宮全体が厚く硬くなり、生理のたびにその組織が出血するため、強い生理痛とともに経血量が非常に多くなります。子宮が大きくなることもあります。
  • 子宮内膜ポリープ: 子宮内膜にできる良性のイボ状の突起です。小さければ無症状なことも多いですが、大きかったり複数あったりすると、経血量の増加や生理期間以外の不正出血の原因となることがあります。
  • 子宮頸がん・子宮体がん: 悪性腫瘍が原因で過多月経や不正出血が起こることもあります。特に子宮体がんは初期症状として不正出血や過多月経が見られることがあり、早期発見のためにも異常を感じたらすぐに受診することが重要です。
  • 子宮附属器炎(卵巣炎、卵管炎): 卵巣や卵管の炎症によって、骨盤内の血行が滞り、子宮の収縮が悪くなることで経血量が増えることがあります。
  • 子宮内膜炎: 子宮内膜の炎症によって、経血量が増えたり不正出血が起こったりすることがあります。

これらの器質性疾患が原因の場合、疾患そのものの治療を行うことで過多月経の改善を目指します。

機能性疾患が原因の場合

子宮や卵巣自体に明らかな病気(腫瘍など)は見られないものの、排卵の異常などによってホルモンバランスが乱れ、過多月経を引き起こしているケースです。

  • 排卵障害: きちんと排卵が起こらない「無排卵周期症」の場合、黄体ホルモンが十分に分泌されず、子宮内膜が厚くなりすぎることがあります。その状態で剥がれ落ちるため、一度に大量の経血として排出され、過多月経となることがあります。
  • 黄体機能不全: 排卵はするものの、黄体ホルモンの分泌が不十分な場合、子宮内膜が不安定になり、生理期間が長引いたり、だらだらと出血が続いたりすることで総経血量が増加することがあります。

機能性疾患による過多月経は、ホルモン療法などでホルモンバランスを整えることで改善を目指すことが一般的です。

ホルモンバランスの乱れ

器質性疾患や機能性疾患といった特定の病気ではない場合でも、一時的なホルモンバランスの乱れによって過多月経となることがあります。

  • 思春期: 月経が始まったばかりの頃は、まだ排卵が安定せず、ホルモンバランスが不安定になりがちです。そのため、経血量が多かったり少なかったり、周期が不規則だったりすることがよくあります。多くの場合、成長とともに安定していきますが、あまりにひどい場合は相談が必要です。
  • 更年期: 閉経が近づくと、卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが大きく変動します。この時期に過多月経や不正出血が起こることは珍しくありません。ただし、この時期は子宮体がんのリスクも高まるため、「更年期だから」と自己判断せず、必ず婦人科を受診して原因を確認することが大切です。
  • ストレスや過労: 強いストレスや慢性的な過労は、自律神経を介してホルモン分泌に影響を与えることがあります。その結果、月経周期が乱れたり、経血量が増えたりすることがあります。
  • 薬剤の影響: 血液を固まりにくくする薬(抗凝固薬など)を服用している場合、出血が止まりにくくなり過多月経につながることがあります。

ホルモンバランスの乱れが原因の場合、生活習慣の改善や、必要に応じてホルモン補充療法などが行われることがあります。

過多月経で起こりうる症状とリスク

過多月経は単に経血量が多いだけでなく、様々な症状や、場合によっては健康上のリスクを伴います。

貧血(鉄欠乏性貧血)

過多月経で最も多く見られるのが、鉄欠乏性貧血です。毎月の生理で大量の血液を失うため、体内の鉄分が不足しやすくなります。鉄分は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となるため、鉄分が不足するとヘモグロビンを十分に作れなくなり、酸素を全身に運ぶ機能が低下します。

鉄欠乏性貧血の主な症状は以下の通りです。

  • 疲れやすい、だるい
  • 顔色が青白い、唇や爪の色が薄い
  • めまいや立ちくらみ
  • 動悸、息切れ
  • 頭痛
  • 食欲不振
  • 爪が反る(スプーン爪)
  • 氷を食べたくなる(異食症)

貧血が慢性的に続くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、心臓に負担がかかったり、免疫力が低下したりすることもあります。ひどい貧血の場合は、輸血が必要になることもあります。過多月経による貧血は、経血量をコントロールする治療と並行して、鉄剤の内服などで改善を目指します。

レバー状の血の塊

過多月経では、ドロッとしたレバー状の血の塊が出ることがよくあります。これは、子宮から排出される経血のスピードが速すぎて、抗凝固作用(血液を固まらないようにする働き)が追いつかずに、血液が子宮の中で固まってしまうために起こります。

塊の大きさや量も過多月経の目安の一つです。直径2~3cm以上の塊が頻繁に出る場合は、明らかに経血量が多いと考えられます。大きな塊が出るたびに不快感や不安を感じる方も少なくありません。

日常生活への影響(ナプキン交換頻度、量)

過多月経は、日常生活の質(QOL)を著しく低下させる原因となります。

  • ナプキン交換頻度の増加: 頻繁にトイレに行き、ナプキンを交換しなければならないため、仕事や授業に集中できない、長時間の会議や外出が困難になるといった問題が生じます。
  • 漏れの不安: いつ漏れてしまうかという不安から、外出をためらったり、地味な色の服を選んだりすることがあります。夜間も漏れを気にして十分に眠れないこともあります。
  • 活動の制限: 運動や旅行、プールや温泉など、生理期間中の活動が制限されることがあります。
  • 精神的な負担: 毎月の生理が重いことによる身体的なつらさに加え、漏れへの不安や活動制限による精神的なストレスも大きくなります。「なぜ自分だけこんなにひどいのだろう」と悩んだり、憂鬱になったりすることもあります。

出血性ショックのリスクについて

極めて稀なケースですが、急激かつ大量の出血が起こった場合、出血性ショックを起こすリスクもゼロではありません。出血性ショックとは、大量の出血により体内の血液量が急激に減少し、全身に必要な酸素や栄養が運ばれなくなる生命にかかわる状態です。

症状としては、血圧低下、頻脈、顔面蒼白、冷や汗、呼吸困難、意識障害などが現れます。このような状態は緊急を要するため、もし生理中に急激な大量出血とともに意識がもうろうとするなどの症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。

しかし、過多月経の多くは慢性的な出血による貧血が主な問題であり、突発的な出血性ショックに至るケースは非常に少ないことを理解しておきましょう。過度な心配は不要ですが、「これくらい大丈夫」と自己判断せず、つらい症状がある場合は早めに専門家へ相談することが大切です。

過多月経かな?と思ったら病院へ行くべき目安

前述のセルフチェックリストで複数項目に当てはまる場合や、以下のような症状がある場合は、迷わず婦人科を受診しましょう。

  • 経血量が明らかに増えた、または月経期間が長くなったと自覚している
  • 貧血症状(めまい、立ちくらみ、息切れ、強い疲労感など)がある
  • 直径2~3cm以上のレバー状の血の塊が頻繁に出る
  • 月経のせいで日常生活(仕事、学業、外出など)に支障が出ている
  • 以前に比べて生理痛がひどくなった、または今までなかった生理痛がある
  • 不正出血(生理と生理の間や、閉経後に出血がある)を伴う
  • 子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気を指摘されたことがある
  • 過多月経かもしれないと不安を感じている

特に、貧血が進んでいる場合は、放置すると体の様々な機能に影響が出ます。また、過多月経の背景に、子宮筋腫や子宮腺筋症といった治療が必要な病気や、稀に子宮体がんなどの悪性疾患が隠れている可能性もあります。「いつものことだから」と我慢せず、一度専門家による診察を受けることが大切です。

過多月経の検査方法

婦人科を受診すると、過多月経の原因を特定するためにいくつか検査が行われます。主な検査は以下の通りです。

検査項目 目的 内容
問診 月経の状態、症状、既往歴、服用中の薬などを詳しく把握する 月経周期、期間、量、塊の有無、生理痛の程度、貧血症状、これまでの病歴(子宮筋腫など)、妊娠・出産の経験、内服薬などについて医師が尋ねます。
内診・経腟超音波検査 子宮や卵巣の大きさ、形、状態を確認し、筋腫や腺筋症、ポリープ、卵巣の腫れなどがないか調べる 経腟プローブを使って子宮や卵巣をリアルタイムで画像として観察します。子宮の壁の厚さや内部の異常も確認できます。
血液検査 貧血の有無や程度、ホルモンバランス、特定の疾患に関連する項目などを調べる 腕などから採血し、ヘモグロビン値(貧血の指標)、血清フェリチン値(体内の鉄分貯蔵量の指標)、女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロンなど)の値を測定します。
子宮内膜検査 子宮内膜に異常がないか、ポリープやがんの可能性がないかなどを調べる 子宮内膜の一部を採取して顕微鏡で詳しく調べます。子宮内膜ポリープや子宮体がんが疑われる場合に行われます。多くの場合、生理が終わった直後に行われます。
MRI検査 超音波検査で診断が難しい場合や、筋腫と腺筋症の区別、筋腫の正確な位置などをより詳しく調べる 強力な磁気を使って体の断面画像を撮影します。子宮や卵巣の病気をより詳細に評価できます。必要に応じて行われる検査です。

過多月経の治療法

過多月経の治療は、その原因や患者さんの年齢、妊娠希望の有無、症状の程度などを考慮して決定されます。原因となっている病気がある場合は、まずその治療を行うことが基本です。

薬物療法(ホルモン療法、止血剤など)

薬物療法は、過多月経の症状を軽減するために広く用いられる治療法です。

  • ホルモン療法:
    • 低用量ピル(OC)/LEP製剤(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬): 排卵を抑制し、子宮内膜の増殖を抑えることで、経血量を大幅に減らす効果があります。生理周期を安定させ、生理痛を軽減する効果も期待できます。避妊効果もあります。
    • 黄体ホルモン製剤: 子宮内膜の増殖を抑えたり、子宮内膜を安定させたりすることで、経血量を減らします。周期的に服用したり、持続的に服用したりする方法があります。
    • GnRHアゴニスト・アンタゴニスト: 卵巣からの女性ホルモンの分泌を一時的に低下させ、月経を止めることで、子宮筋腫や子宮腺筋症を小さくし、経血量を減らします。更年期のような状態になるため、副作用(ほてり、のぼせ、骨量減少など)が出ることがあります。使用期間に制限があります。
    • IUS(ミレーナ): 子宮内に装着する小さな器具で、黄体ホルモンを少しずつ放出し続けます。子宮内膜の増殖を抑え、経血量を大幅に減らす効果があり、装着期間中(5年間)効果が持続します。生理痛軽減にも有効で、避妊効果もあります。
  • 止血剤: トラネキサム酸などの止血作用のある薬です。生理が始まったら服用し、出血量を抑える対症療法として用いられます。根本的な治療ではありませんが、症状の緩和に役立ちます。
  • 鉄剤: 貧血がある場合は、鉄剤の内服や注射で体内の鉄分を補給します。過多月経の治療と並行して行うことで、貧血症状の改善を目指します。

薬物療法は、手術を避けたい場合や、原因疾患の進行を抑えたい場合、症状を一時的に和らげたい場合などに選択されます。

手術療法

薬物療法で効果が得られない場合や、子宮筋腫や子宮内膜ポリープが大きい場合、または悪性が疑われる場合などに手術療法が検討されます。

  • 子宮筋腫・子宮内膜ポリープ摘出術:
    • 子宮鏡下手術: 子宮の中に内視鏡を入れて、子宮の内側にある筋腫やポリープを摘出します。体への負担が少なく、子宮を残すことができるため、妊娠希望のある方にも選択されることがあります。
    • 腹腔鏡下手術: お腹に小さな穴をいくつか開けて、そこから内視鏡や器具を入れて筋腫を摘出します。開腹手術に比べて傷口が小さく、回復が早いのが特徴です。
    • 開腹手術: お腹を大きく切開して筋腫を摘出します。大きな筋腫や多数の筋腫がある場合、他の臓器との癒着がひどい場合などに選択されます。
  • 子宮内膜焼灼術(アブレーション): 子宮内膜を焼き、月経量を減らす手術です。子宮を残すことはできますが、妊娠は難しくなるため、基本的に今後妊娠を希望しない方が対象となります。
  • 子宮全摘術: 子宮をすべて摘出する手術です。過多月経の原因が子宮筋腫や子宮腺筋症などで、他の治療法では効果がなく、かつ今後妊娠を希望しない場合の最終的な選択肢の一つとなります。過多月経は根治しますが、月経がなくなります。腹腔鏡手術やロボット支援手術で行われることも増えています。

どの治療法を選択するかは、医師とよく相談し、メリット・デメリット、妊娠希望の有無、ライフスタイルなどを考慮して決定することが重要です。

過多月経の日常生活での対策

過多月経の症状を和らげたり、貧血の進行を防いだりするために、日常生活でできる対策もいくつかあります。

おすすめのナプキン選び

過多月経の方は、普通のナプキンではすぐに吸収しきれず漏れてしまうことが多いです。以下のようなアイテムを活用することで、漏れの不安を軽減できます。

  • 夜用ナプキン: 昼間でも、吸収量の多い夜用ナプキンや特に量の多い日用のナプキンを使うと安心です。
  • タンポン: 体内で経血を吸収するため、漏れにくく、比較的自由に動くことができます。ただし、適切なサイズを選び、交換時間を守ることが重要です。
  • 月経カップ: シリコンなどでできたカップを膣内に入れて経血を溜めるタイプです。ナプキンやタンポンよりも長時間使用でき、エコでもありますが、慣れるまで練習が必要です。
  • 吸水ショーツ: 生地の内部に吸収体が入っており、ナプキンなしで履くだけで経血を吸収してくれるショーツです。軽い日用から過多月経対応の吸収量が多いものまで様々あります。

これらを単独で使ったり、組み合わせて使ったり(例:夜用ナプキン+吸水ショーツ)することで、より快適に過ごせる可能性があります。ご自身の経血量やライフスタイルに合ったものを選んでみましょう。

貧血対策としての食事や鉄分補給

過多月経による貧血を防ぐ、または改善するためには、日々の食事から鉄分を意識的に摂取することが重要です。

  • 鉄分を多く含む食品:
    • ヘム鉄(動物性食品): 豚レバー、鶏レバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ、いわしなど。体内への吸収率が良いのが特徴です。
    • 非ヘム鉄(植物性食品): ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆製品(豆腐、納豆)、海苔、ごまなど。ヘム鉄に比べて吸収率は低いですが、他の栄養素も豊富です。
  • 鉄分の吸収を助ける栄養素: ビタミンCは非ヘム鉄の吸収を促進します。鉄分の多い食品と一緒に、柑橘類、イチゴ、ピーマン、ブロッコリーなどを摂るようにしましょう。
  • 鉄分の吸収を妨げるもの: コーヒーや紅茶に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げる可能性があります。食事中や食後すぐの摂取は控える方が良いでしょう。
  • サプリメント: 食事からの摂取だけでは追いつかない場合は、鉄分のサプリメントを利用するのも有効です。ただし、自己判断で大量に摂取せず、医師や薬剤師に相談してから利用することをおすすめします。

バランスの取れた食事を心がけ、鉄分を意識的に取り入れることが、貧血対策につながります。

体を冷やさない工夫

体を冷やすと血行が悪くなり、経血がスムーズに排出されにくくなることで、経血量が増えたり、生理痛が悪化したりすることがあります。生理期間中や普段から体を冷やさないように工夫しましょう。

  • 服装: 暖かい下着をつけたり、腹巻きを使ったりして、お腹周りを冷やさないようにしましょう。足元が冷えないように靴下を履くことも大切です。
  • 入浴: シャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かることで全身の血行が促進され、冷えや生理痛の緩和に役立ちます。
  • 飲み物: 冷たい飲み物や体を冷やす性質のある食品(キュウリ、ナスなど)は控えめにし、温かい飲み物や体を温める性質のある食品(生姜、ネギなど)を摂るようにしましょう。
  • カイロ: 貼るタイプのカイロを下腹部や腰に貼るのも効果的です。

これらの対策は、あくまで過多月経の症状を和らげたり、貧血や生理痛のケアに役立つものであり、根本原因を治療するものではありません。つらい症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。

過多月経に関するよくある質問(Q&A)

過多月経になる理由は何ですか?

過多月経の原因は様々ですが、主なものは子宮筋腫や子宮腺筋症などの器質性疾患、排卵障害や黄体機能不全といった機能性疾患、思春期や更年期などによるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。これらの原因によって、子宮内膜が厚くなりすぎたり、子宮の収縮が悪くなったりすることで経血量が増加します。

過多月経のセルフチェックは?

過多月経のセルフチェックとしては、以下のような項目を確認してください。
– 月経期間が8日以上続く
– 昼間でも1~2時間おきにナプキンを交換しないと漏れる
– 夜間もナプキン交換が必要
– 大きなレバー状の血の塊が頻繁に出る
– 生理中にめまいや立ちくらみ、息切れなどの貧血症状がある
これらの項目に複数当てはまる場合は、過多月経の可能性が高いです。

過多月経 どうしたらいい?

過多月経かもしれないと思ったら、まずは婦人科を受診することが最も大切です。原因を特定するための検査を受け、医師と相談して適切な治療法(薬物療法や手術など)を選択します。日常生活では、吸水量の多い生理用品を使ったり、貧血予防のために鉄分を意識した食事を摂ったり、体を冷やさないようにしたりするなどの対策も有効です。

月経過多がひどいとどうなるの?

月経過多を放置すると、鉄欠乏性貧血が進行し、めまい、立ちくらみ、強い疲労感などの症状が悪化し、日常生活に支障をきたすことがあります。長期化すると心臓に負担がかかることもあります。また、背景に子宮筋腫などの病気が隠れている場合は、病気が進行する可能性もあります。稀ですが、急激な大量出血で出血性ショックを起こすリスクもゼロではありません。

過多月経は自分で治せますか?

過多月経の根本原因が子宮筋腫や子宮腺筋症といった病気である場合や、ホルモンバランスの大きな乱れである場合は、自分で治すことは難しいです。セルフケア(食事や冷え対策など)は症状の緩和や貧血予防には役立ちますが、原因そのものを解消することはできません。必ず医療機関を受診し、適切な診断と治療を受ける必要があります。

過多月経と更年期の関係はありますか?

更年期(閉経前後の約10年間)は、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌が大きく変動するため、月経周期が乱れたり、経血量が多かったり少なかったりすることがよくあります。過多月経も更年期症状の一つとして起こり得ます。しかし、更年期に起こる過多月経の中には、子宮体がんなどの病気が隠れている可能性もあります。「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、出血量が多い場合は必ず婦人科を受診して原因を確認することが重要です。

まとめ:過多月経の不安は専門家へ相談を

過多月経は、単に生理の量が多いというだけでなく、貧血を引き起こしたり、日常生活に大きな影響を与えたりする可能性のある状態です。その背景には、子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気が隠れていることも少なくありません。

もし、この記事を読んで「自分も過多月経かもしれない」と感じた方は、一人で悩まず、ぜひ婦人科を受診してください。専門家による診察と検査によって、過多月経の原因が明らかになり、症状を和らげるための適切な治療法が見つかるはずです。

過多月経は適切な治療によって症状をコントロールできる場合が多く、QOLの改善が期待できます。不安を抱え込まず、まずは専門家に相談することから始めましょう。

免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。個別の症状や健康状態については、必ず医療機関を受診して医師の判断を仰いでください。

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