月経血コントロールで生理が快適に!やり方と骨盤底筋ケア

生理中の不快感を少しでも軽減したい、生理用品への依存を減らしたい――そんな思いから「月経血コントロール」に興味を持つ方が増えています。
しかし、その方法は本当に安全なのでしょうか?体に悪い影響はないのでしょうか?

この記事では、月経血コントロールの基本的な知識から、そのメリット・デメリット、具体的なやり方、そして最も気になる医学的根拠について、分かりやすく解説します。専門家の見解や、実践する上での注意点もお伝えするので、自分に合った生理との向き合い方を見つけるための参考にしてください。

月経血コントロールとは

月経血コントロールの基本知識

月経血コントロールとは何か

月経血コントロールとは、生理中に経血が子宮から排出されるタイミングをある程度、自分で意識的に調整しようとする試みです。具体的には、経血が溜まった感覚を捉え、トイレに行ったときにまとめて排出するといった方法が挙げられます。

これは、経血を常にナプキンやタンポンなどの生理用品に受け止めるのではなく、排尿や排便のように、自分の意思で排出する時間や場所を選ぼうという考え方に基づいています。生理用品の使用量を減らしたり、交換頻度を下げたりすることを目指す人もいます。

ただし、月経血は排尿のように完全にコントロールできるものではありません。子宮の収縮などによって自然に排出されるため、完全に止めたり、好きな時に好きなだけ出したりすることは不可能です。あくまで「ある程度」の意識的な調整であり、医学的に確立された「治療法」や「トレーニング法」とは性質が異なります。

骨盤底筋の役割

月経血コントロールにおいて重要とされるのが、「骨盤底筋」の働きです。骨盤底筋は、骨盤の底に位置する筋肉の集まりで、子宮や膀胱、直腸などの内臓を下から支えるハンモックのような役割をしています。

この骨盤底筋は、排尿や排便を我慢したり、止めたりする際に使われる筋肉でもあります。月経血コントロールの実践者は、この骨盤底筋を意識的に締めたり緩めたりすることで、経血の排出を一時的にコントロールしようと試みるとされています。

骨盤底筋がしっかりしていると、くしゃみをした時や重いものを持った時などに尿が漏れる「尿失禁」の予防・改善にも効果があるとされています。また、姿勢の維持や、性機能にも関わっています。

しかし、骨盤底筋を使って経血の排出をコントロールすることについては、医学的な根拠は十分に確立されていません。経血は血液であり、子宮の収縮によって押し出されるため、尿のように骨盤底筋だけで完全に制御することは困難です。

月経血コントロールのメリット

月経血コントロールを実践する人が感じるメリットには、以下のようなものがあります。

  • 生理中の快適性向上

月経血コントロールによって、経血をまとめて排出できるようになると、生理用品が経血でいっぱいになる前にトイレで処理できるため、常に濡れているような不快感を軽減できると感じる人がいます。また、頻繁に生理用品を取り替えなくても済むようになり、外出時なども安心感が増すという声もあります。

生理用品によるムレやかぶれに悩んでいる人にとっては、生理用品の使用時間や使用量を減らせる可能性があるため、肌トラブルの軽減につながることも期待されます。生理中の嫌なニオイが気になりにくくなったと感じる人もいます。

これらの快適性の向上は、生理中のストレス軽減やQOL(生活の質)向上につながる可能性があります。

  • 生理用品の節約

経血をトイレでまとめて排出することで、ナプキンやタンポンといった使い捨ての生理用品の使用量を減らせる可能性があります。これにより、生理用品にかかる費用を節約できるという経済的なメリットを感じる人もいます。

また、使い捨て生理用品の使用量を減らすことは、環境負荷の低減にもつながるという側面もあります。近年、サステナブルな生理用品に関心が高まっていますが、月経血コントロールも環境に優しい選択肢の一つとして捉えられることがあります。

ただし、完全に生理用品が不要になるわけではありません。特に量の多い日や夜間などは、生理用品を併用しないと漏れてしまうリスクが高いため、完全にゼロにするのは難しいでしょう。

月経血コントロールのデメリットとリスク

月経血コントロールには、メリットを感じる人がいる一方で、いくつかのデメリットやリスクも指摘されています。

体に悪い影響は?(関連検索: 月経血コントロール 体に悪い)

「月経血コントロールは体に悪い影響があるのか?」と心配される方も多いようです。結論から言うと、無理なコントロールは体に悪影響を及ぼす可能性があります。

経血は体にとって不要になったものであり、スムーズに排出されることが自然な体の仕組みです。それを無理に体内に溜め込もうとすることは、体に負担をかける可能性があります。

例えば、溜め込んだ経血が子宮内や膣内に長時間留まることで、雑菌が繁殖しやすくなり、感染症(細菌性膣症や子宮内膜炎など)のリスクを高める可能性が指摘されています。これらの感染症は、不快な症状を引き起こすだけでなく、場合によっては不妊の原因となる可能性もゼロではありません。

また、無理に骨盤底筋に力を入れ続けたり、お腹に圧をかけたりすることが、体にどのような影響を与えるかについては、十分な医学的な研究がされていません。生理周期の乱れや、その他の婦人科系疾患との関連も否定はできませんが、明確な因果関係は不明です。

最も重要なのは、体の自然な生理現象に逆らわないことです。経血を「汚いもの」「溜め込むべきでないもの」と過度に捉えすぎず、自然な排出を受け入れる姿勢が大切です。

経血コントロールのデメリット(関連検索: 経血コントロール デメリット)

体に悪い影響の可能性以外にも、月経血コントロールにはいくつかのデメリットがあります。

  • 失敗のリスク: 経血の排出タイミングを完全に予測・制御することは不可能です。そのため、コントロールしようとしても、思わぬタイミングで経血が出てしまい、下着や衣服を汚してしまうリスクが常にあります。特に、量の多い日や急な動きをした時などはコントロールが難しくなります。
  • 精神的なストレス: 経血をコントロールしようと常に意識したり、失敗するのではないかと心配したりすることが、精神的なストレスにつながる可能性があります。生理中はホルモンバランスの変化によって精神的に不安定になりやすい時期でもあるため、過度な意識はかえって負担になるかもしれません。
  • 練習が必要: 月経血コントロールは、誰でもすぐにできるものではなく、練習や体の感覚を掴むための時間が必要です。効果を感じられないまま、練習を続けることが負担になる場合もあります。
  • 個人差が大きい: 効果や体への影響には個人差が非常に大きいです。ある人には有効でも、別の人には全く効果がなかったり、かえって体調を崩したりすることもあります。

無理に溜めることの危険性

前述の通り、経血を無理に長時間体内に溜めることは危険を伴います。経血は血液や子宮内膜の細胞などが混じったものであり、体温で温められているため、細菌が繁殖しやすい環境です。

子宮や膣は通常、自浄作用を持っていますが、経血が留まることでそのバランスが崩れる可能性があります。これにより、以下のような感染症のリスクが高まることが懸念されます。

  • 細菌性膣症: 膣内の常在菌のバランスが崩れることで起こる感染症。悪臭のあるおりものやかゆみなどが症状として現れることがあります。
  • 子宮内膜炎: 子宮の内側を覆う子宮内膜に炎症が起きる病気。下腹部痛や不正出血、発熱などの症状が現れることがあります。慢性化すると不妊の原因になることもあります。
  • 卵管炎・骨盤腹膜炎: 子宮からさらに上の器官に炎症が広がる場合、より重篤な症状を引き起こす可能性があります。

これらのリスクを避けるためには、経血は我慢せず、体のサインに従って自然に排出させることが大切です。月経血コントロールを試みるにしても、無理のない範囲で行い、少しでも体の異変を感じたらすぐに中止し、医療機関に相談するようにしましょう。

月経血コントロールの具体的なやり方・練習方法

月経血コントロールを試みたいと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。以下に一般的なやり方や練習方法を説明しますが、これらは医学的に推奨された方法ではなく、あくまで実践者が行っているとされる方法です。

経血コントロールの出し方は?(PAA)

経血コントロールの「出し方」としてよく言われるのは、以下のような手順です。

  1. 経血が溜まった感覚を捉える: 月経血が子宮から膣へ流れ出てくる感覚や、膣の入り口付近に経血が溜まっているような感覚を意識的に感じ取ろうとします。これは個人差があり、慣れが必要なステップです。
  2. トイレに行く: 経血が溜まった感覚があったら、トイレに行きます。
  3. 骨盤底筋を緩める: トイレに座ったら、排尿や排便の時と同じように、骨盤底筋をリラックスさせて緩めます。力を抜くことで、溜まっていた経血が流れ出やすくなるとされています。
  4. いきむ(場合によっては): 排出を促すために、軽くお腹に力を入れていきむこともあります。ただし、あまり強く息むと体への負担になる可能性があるため、無理のない範囲で行います。
  5. 排出を確認する: 経血が排出されたことを確認します。

この一連の動作を、生理期間中に繰り返し行うことで、徐々に体の感覚を掴み、排出のタイミングを調整できるようになると言われています。

生理の血をトイレで出しきる方法は?(PAA)

「生理の血をトイレで出しきる方法」という表現もよく使われますが、前述の通り、月経血を完全に「出しきる」ことは不可能です。子宮が収縮するたびに新しい経血は作られ、排出されます。

トイレでまとめて排出できるのは、あくまでその時点子宮や膣に溜まっていた一部の経血です。排出後も、子宮からは引き続き経血が出てくるため、生理用品なしで過ごすのは現実的ではありません。

トイレで「まとめて出す」ためのポイントとしては、前述の「出し方」のステップを丁寧に行うことと、リラックスして骨盤底筋をしっかり緩めることが挙げられます。力みすぎると逆効果になることもあります。

効果的な練習方法とコツ

月経血コントロールを習得するためには、意識的な練習が必要とされます。以下に、実践者が行うとされる練習方法とコツを紹介します。

骨盤底筋トレーニング

月経血コントロールにおいて重要とされる骨盤底筋を意識し、鍛えるためのトレーニングが有効と言われています。

  • 基本の骨盤底筋トレーニング: 椅子に座るか仰向けになり、膣や肛門をキュッと締め上げるイメージで骨盤底筋に力を入れます。そのまま数秒キープし、ゆっくりと力を緩めます。これを10回程度繰り返します。力を入れるときには息を止めないように注意しましょう。
  • 排尿を途中で止めるイメージ: 実際に排尿中に試すのは衛生上お勧めできませんが、排尿している途中で尿を止めようとする際に使う筋肉が骨盤底筋です。この感覚を普段から意識する練習になります。

これらのトレーニングは、月経血コントロールだけでなく、尿漏れ予防などにも役立ちます。毎日継続することが大切です。

排出のタイミング

経血をまとめて出すためには、体のサインを掴むことが重要です。

  • 経血が下りてくる感覚を意識する: 生理期間中、特にトイレに行く前などに、経血が下りてくる感覚や、膣の入り口付近が重くなるような感覚を意識的に感じ取ろうとします。
  • 定期的にトイレに行く: 最初は感覚が掴めなくても、生理が始まったら意識的に2~3時間おきにトイレに行き、座ってリラックスし、骨盤底筋を緩める練習をします。これを繰り返すことで、体の排出のメカニズムをより意識できるようになります。
  • リラックスする: 緊張していると骨盤底筋が硬くなり、経血がスムーズに排出されにくくなります。トイレではリラックスして、深呼吸などをしながら力を抜くことを意識しましょう。

これらの練習は、あくまで「感覚を掴む」ためのものであり、即効性があるわけではありません。焦らず、自分の体のペースに合わせて行うことが大切です。無理な練習は、かえって体への負担やストレスにつながる可能性があるため避けましょう。

月経血コントロールに関する医学的見解

月経血コントロールは、古くから実践されてきたと言われる一方で、現代医学の観点からはどのように捉えられているのでしょうか。

経血コントロールに医学的根拠はあるか?(関連検索: 経血コントロール 医学的根拠, 月経血コントロール 嘘)

「経血コントロールに医学的根拠はあるか?」という疑問に対して、現時点では、月経血を自在にコントロールできるという明確な医学的根拠は確立されていません

月経は、子宮内膜が剥がれ落ち、子宮の筋肉が収縮することで経血として排出される自然な生理現象です。この子宮の収縮は、自律神経によってコントロールされており、私たちの意思で自由に止めたり、促したりすることはできません。

骨盤底筋を鍛えることは、尿失禁の予防や改善には有効ですが、経血の排出をコントロールする機能については、医学的な裏付けが十分ではありません。経血の性質(血液であること)や排出のメカニズム(子宮の収縮)を考えると、排尿のように完全に制御することは生理学的に困難と考えられています。

そのため、「月経血コントロール」という言葉が示すような、自分の意思で経血の排出を完璧にコントロールできるという考え方は、医学的には「嘘」とまでは言えませんが、誇張されている、あるいは誤解に基づいている可能性が高いと言えます。

専門家から見た月経血コントロール

産婦人科医などの専門家の多くは、月経血コントロールに対して慎重な見解を示しています。

  • 自然な排出の重要性: 経血は体にとって不要なものであり、スムーズに排出されることが体の健康にとって重要であると考えています。無理に溜め込むことによる感染症のリスクを懸念しています。
  • 医学的根拠の不足: 月経血コントロールの効果や安全性に関する信頼できる医学的な研究データがほとんどないため、積極的に推奨することは難しい立場です。
  • 過度な期待は禁物: 月経血コントロールによって生理用品が全く不要になる、といった過度な期待は現実的ではないと考えています。

ただし、専門家の中には、「体の感覚を意識し、骨盤底筋をケアすること自体は、自分の体に向き合うという意味で悪いことではない」と考える医師もいるかもしれません。重要なのは、医学的に確立された方法ではないことを理解し、無理のない範囲で行うことです。

医療機関への相談が必要なケース

月経血コントロールを試みる中で、以下のような体の変化や症状が現れた場合は、速やかに医療機関(婦人科)を受診し、専門医に相談することが非常に重要です。

  • 不正出血: 生理期間中以外に出血がある。
  • 生理周期の乱れ: これまで順調だった生理周期が大幅にずれたり、止まったりする。
  • 過多月経・過少月経: 経血量が急に増えたり減ったりする。
  • 強い生理痛: これまでになかったような激しい生理痛がある。
  • 下腹部痛: 生理期間中以外にも持続的な下腹部痛がある。
  • 発熱: 月経血コントロールの練習を始めてから、原因不明の発熱がある。
  • おりものの変化: おりものの色やニオイが変わったり、かゆみが生じたりする。
  • 排尿時の痛みや違和感: 膀胱炎のような症状がある。

これらの症状は、感染症や他の婦人科系疾患のサインである可能性があります。月経血コントロールとの関連がなくても、早期に診断・治療を受けることが大切です。月経血コントロールについて心配な点があれば、自己判断せず、医師に相談してみましょう。

月経血コントロールができる人・できない人

月経血コントロールを試みても、効果を感じられる人とそうでない人がいます。この違いはどこにあるのでしょうか。

経血コントロールができる人の特徴(関連検索: 経血コントロール できる人)

「経血コントロールができる」と感じる人の特徴として、以下のような点が挙げられることがあります。

  • 自分の体の感覚に敏感: 月経血が下りてくる感覚や、子宮や膣の状態といった、体の微細な変化や感覚を捉えるのが得意な人。
  • 骨盤底筋を意識しやすい: 骨盤底筋の位置を理解し、意識的に力を入れたり緩めたりするのが上手な人。
  • 生理周期が比較的安定している: 生理周期や経血量が予測しやすく、体のリズムを把握しやすい人。
  • リラックスして生理と向き合える: 生理に対するネガティブなイメージが少なく、体の自然な状態を受け入れやすい人。
  • 無理なく継続できる: 効果を実感できるまでに時間がかかっても、ストレスを感じすぎずに練習を続けられる人。

これらの特徴は、あくまで「月経血コントロールの実践者によって語られる傾向」であり、科学的に証明されたものではありません。また、「できる」と感じるレベルも人それぞれ異なります。完全にコントロールできるわけではなく、「以前より排出のタイミングを意識できるようになった」という程度のことが多いでしょう。

経血コントロールが難しいと感じたら(関連検索: 経血コントロール できない)

「経血コントロールが難しい」「全くできない」と感じる人も少なくありません。その理由は様々です。

  • 体の感覚を掴むのが難しい: 月経血が下りてくる感覚がよく分からない、骨盤底筋をどう意識すれば良いか分からない、といった感覚的な部分でつまずく場合があります。これは個人差が大きく、練習しても感覚を掴めないこともあります。
  • 生理の状態による: 経血量が非常に多い日や、生理痛が強い日などは、意識を向けるのが難しく、体のコントロールが効きにくいことがあります。また、生理不順や子宮の病気などがある場合は、体の状態が通常と異なるため、コントロールが難しくなる可能性があります。
  • 精神的なストレス: 「コントロールしなければ」というプレッシャーが、かえって体を緊張させ、排出を妨げてしまうこともあります。失敗への不安なども影響します。
  • 解剖学的な個人差: 骨盤の構造や筋肉のつき方など、個人差によって骨盤底筋を意識しやすいかどうかが異なる可能性も考えられます(これも医学的な裏付けがあるわけではありません)。

もし月経血コントロールが難しいと感じても、それは決して異常なことではありません。無理に「できるようにならなければ」と自分を責める必要はありません。前述の通り、月経血コントロールは医学的に確立された方法ではなく、誰でもできるものではありません。

難しいと感じる場合は、無理に続けることでストレスを溜めたり、体への負担を増やしたりするよりも、他の方法で生理中の快適性を高めることを検討する方が賢明です。

月経血コントロールと生理用品の進化

月経血コントロールが注目される背景には、生理用品の存在があります。生理用品の歴史を振り返り、現代の生理用品との関係性を見てみましょう。

昔の女性はどうやって生理をコントロールしていたのか?(PAA)

現代のように高機能なナプキンやタンポンがなかった時代、女性たちはどのように生理に対処していたのでしょうか。文献などを通じて伝えられている方法には、以下のようなものがあります。

  • : 最も一般的だったのは、繰り返し洗って使える布です。経血を布に吸わせ、汚れたら新しい布に取り替え、洗って乾かして再利用していました。これは現代の布ナプキンに近い考え方です。
  • 吸収材: 草や木の葉、土などを吸収材として使っていた地域もあったと言われています。
  • 経血を溜める・排出する: 生理中は農作業などの重労働を避け、自宅などで安静に過ごし、定期的にトイレに行って経血を排出していたという記録も見られます。これは、ある意味で原始的な月経血コントロールの実践と言えるかもしれません。現代のように常に活動的に過ごすことが求められなかった時代背景もあり、可能だった方法と考えられます。
  • 経血を出すための儀式: 特定の集落や文化では、生理中の女性が集まり、特定の姿勢をとったり、温めたりして経血の排出を促す儀式を行っていたという報告もあります。

これらの方法は、現代の生理用品のような「漏れを防ぐ」という観点よりも、「経血を体外に出す」ことや「経血を受け止める」ことに主眼が置かれていたと考えられます。

現代の生理用品との併用

現代の生理用品は、驚くほど進化しています。高い吸収力と漏れ防止機能、薄さ、肌への優しさなど、様々な工夫が凝らされています。ナプキン、タンポン、月経カップ、吸水ショーツなど、選択肢も豊富です。

月経血コントロールを実践するにしても、現代の生理用品を全く使わないというのは非現実的です。特に、以下のような場面では生理用品との併用が強く推奨されます。

  • 量の多い日: 生理が始まったばかりの日や2日目など、経血量が特に多い日は、月経血コントロールだけでは漏れるリスクが非常に高いです。吸収力の高いナプキンやタンポン、月経カップなどと組み合わせて使用しましょう。
  • 夜間: 就寝中は無意識になるため、月経血コントロールはできません。夜用のナプキンや、長時間使用できる生理用品を選びましょう。
  • 外出時や仕事中: すぐにトイレに行けない状況や、集中力が求められる場面では、漏れを気にすること自体が大きなストレスになります。安心して過ごすために、生理用品の使用は必須と考えられます。
  • 運動時: 体を動かすと経血が下りやすくなるため、漏れやすい状況です。運動の種類や量に合わせて、適切な生理用品を使用しましょう。

月経血コントロールは、あくまで生理用品にプラスアルファして、「トイレで排出できる時はする」といった補助的な位置づけで考えるのが現実的であり、安全です。現代の生理用品の恩恵を十分に受けつつ、できる範囲で月経血コントロールを試みる、というスタンスが良いでしょう。無理なく、ストレスなく続けられる方法を選びましょう。

まとめ:自分に合った生理との向き合い方を見つける

月経血コントロールは、生理中の不快感を軽減したり、生理用品を節約したりといったメリットを期待して試みられる方法です。骨盤底筋を意識し、経血が溜まった感覚を捉えてトイレで排出するといったやり方が実践されています。

しかし、医学的には月経血を完全にコントロールできるという明確な根拠は確立されていません。経血は子宮の収縮によって排出される自然な生理現象であり、尿のように意思で自在に制御することは困難です。

むしろ、無理に経血を長時間体内に溜め込もうとすることは、細菌感染のリスクを高めるなど、体に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。体の自然な排出に逆らわないことが健康のためには重要です。

月経血コントロールを試みる場合は、医学的に確立された方法ではないこと、そして体にリスクがある可能性があることを十分に理解した上で、無理のない範囲で行うことが大切です。少しでも体の異変を感じたら、すぐに中止して医療機関に相談してください。

生理との向き合い方は、一人ひとり異なります。月経血コントロールに固執するのではなく、現代の様々な生理用品を賢く活用したり、リラックスして過ごす時間を大切にしたり、必要であれば婦人科医に相談したりするなど、自分にとって最も快適で、心身ともに健やかに生理期間を過ごせる方法を見つけることが何よりも大切です。

最終的には、ご自身の体とじっくり向き合い、無理のない範囲で心地よい生理期間を送るための方法を選択していくことが、最も重要と言えるでしょう。

【免責事項】

この記事は、月経血コントロールに関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスや治療を推奨するものではありません。月経血コントロールを実践する際は、ご自身の責任において行ってください。体調に不安がある場合や、具体的な症状がある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。この記事の情報によって生じたいかなる不調や損害についても、当方では責任を負いかねます。

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