子宮頸がん(しきゅうけいがん)は、子宮の入り口部分である子宮頸部にできるがんです。
主に性行為によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)が原因と考えられています。
日本国内では年間約1万人が子宮頸がんと診断され、約2800人が亡くなっています。
特に20代から30代の若い女性の間で増加傾向にあり、決して他人事ではありません。
しかし、子宮頸がんは早期に発見し適切な治療を行えば、比較的治りやすいがんの一つです。
このページでは、子宮頸がんについて、その原因、症状、検査、診断、治療法、そして最も重要な予防方法まで、専門家の知見に基づき分かりやすく解説します。
子宮頸がんに関する疑問や不安をお持ちの方にとって、ご自身の健康を守るための正確な知識を得る一助となることを願っています。
子宮頸がんとは
子宮は女性にとって妊娠・出産を司る大切な臓器です。子宮は主に、子宮の上部にある「子宮体部(しきゅうたいぶ)」と、その下部にある狭まった部分の「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」に分かれています。子宮頸部は腟につながる部分であり、その表面は主に2種類の細胞でおおわれています。子宮頸部がんのほとんどは、この子宮頸部の細胞から発生します。
子宮頸がんの発生には、ある特定のウイルスが深く関わっていることが分かっています。これは、子宮頸がん患者さんの約99%から検出される「ヒトパピローマウイルス(HPV)」です。HPV感染自体は非常にありふれたもので、多くの女性が一生に一度は感染すると言われています。しかし、HPVに感染しても、多くの場合ウイルスは自然に排除されます。ごく一部のケースで、ウイルスが長期間にわたって感染し続けること(持続感染)によって、子宮頸部の細胞に異常(異形成)が起こり、それがやがてがんへと進行していくと考えられています。
子宮頸がんの発生状況を見ると、近年、20代から30代の若い世代で増加傾向にあることが問題視されています。これは、性行動の変化や、子宮頸がん検診の受診率が他の先進国と比べて低いことなどが影響していると考えられています。子宮頸がんは、早期に発見すれば治療によって良好な予後が期待できますが、進行すると治療が難しくなり、命に関わる病気となります。そのため、子宮頸がんに関する正しい知識を持ち、予防や早期発見のための行動をとることが非常に重要です。
子宮頸がんの症状
子宮頸がんは、非常に残念ながら初期の段階では自覚症状がほとんどありません。これは、がんが子宮頸部の表面の比較的狭い範囲にとどまっている間は、痛みを感じる神経などが少ないためと考えられます。そのため、症状がないからといって安心することはできません。
初期症状に気づくには
子宮頸がんの初期段階では、自分で気づくような明確な症状はほとんどありません。しかし、がんが少し大きくなったり、表面が崩れやすくなったりすると、不正出血(性行為の際の出血、月経時以外の出血など)が見られることがあります。特に、性行為の後に少量の出血があるというのは、子宮頸がんやその前段階(異形成)のサインとして比較的多いものです。
しかし、この不正出血も、初期のうちは少量であったり、毎回起こるわけではなかったりするため、月経不順やその他の軽いトラブルと勘違いしてしまうことも少なくありません。また、不正出血以外では、いつもと違うおりもの(量が増える、色やにおいが変わる)が見られることもありますが、これだけを子宮頸がんの初期症状として判断するのは困難です。
したがって、子宮頸がんの初期症状に「気づく」ためには、症状がないうちから定期的に検診を受けることが最も効果的な方法となります。
進行すると現れる症状
がんが進行し、子宮頸部の表面だけでなく周囲の組織や他の臓器にまで広がってくると、さまざまな症状が現れるようになります。これらの症状は、がんが浸潤(しみこむように広がる)したり、転移(別の場所に飛び火する)したりすることによって起こります。
進行子宮頸がんの主な症状は以下の通りです。
- 不正出血の増加: 初期に比べて出血の量が増えたり、出血が持続したりするようになります。月経時以外の出血が頻繁に見られるようになります。
- 月経異常: 月経周期が乱れたり、月経の期間が長引いたりすることがあります。
- 帯下(おりもの)の異常: おりものの量が増え、悪臭を伴ったり、褐色や黒っぽい色、膿のような色になったりします。がん組織が崩れることによって起こります。
- 下腹部痛や腰痛: がんが骨盤内の神経や組織に浸潤すると、持続的な痛みが生じます。最初は軽度でも、進行とともに痛みが強くなることがあります。
- 排尿・排便時の症状: がんが膀胱や直腸にまで広がると、頻尿、排尿時の痛み、血尿、便秘、下痢、血便などの症状が出ることがあります。尿管が圧迫されると、腎臓の機能が低下することもあります。
- 足のむくみや痛み: がんが骨盤内のリンパ節や血管を圧迫すると、下肢のむくみ(リンパ浮腫)や痛みが生じることがあります。
これらの症状が現れた時には、がんがかなり進行している可能性があります。しかし、これらの症状は子宮頸がん以外の病気でも起こりうるため、自己判断はせず、速やかに婦人科を受診することが重要です。
子宮頸がんの一番多い症状は?
子宮頸がんで最も頻繁に見られる、あるいは比較的早期に現れる可能性のある症状は、不正出血です。特に、性行為の後の出血(接触出血)は子宮頸部の異常を示唆するサインとして重要視されています。がんがごく初期の場合や、前がん病変である異形成の段階でも、性行為の刺激によって出血することがあります。
ただし、不正出血があるからといって必ずしも子宮頸がんであるとは限りません。子宮筋腫、子宮内膜症、腟炎、子宮頸管ポリープなど、子宮や腟の様々な病気で不正出血は起こり得ます。しかし、不正出血は子宮頸がんのサインである可能性も否定できないため、「いつものことだから」と軽視せず、必ず一度婦人科を受診して原因を調べてもらうことが大切です。特に、閉経後の出血は注意が必要です。
子宮頸がんの原因
子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。これは、世界中の研究で明らかになっている事実です。
HPV(ヒトパピローマウイルス)とは
HPVは、皮膚や粘膜に感染するごくありふれたウイルスで、現在までに200種類以上のタイプが見つかっています。このうち、性器の粘膜に感染するタイプのHPVが、子宮頸がんの発生と深く関わっています。
HPVは大きく分けて「ハイリスク型HPV」と「ローリスク型HPV」に分類されます。
- ハイリスク型HPV: がんや前がん病変(異形成)の原因となる可能性が高いタイプです。特にHPV16型とHPV18型は、子宮頸がんの原因の約70%を占めています。その他にも、HPV31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、66、68型などがハイリスク型として知られています。
- ローリスク型HPV: 尖圭コンジローマなど良性の病変の原因となることが多いタイプです。がん化の可能性は低いですが、皮膚や粘膜にいぼを作る原因となります。代表的なものにHPV6型とHPV11型があります。
多くの女性は、生涯のうちに一度はHPVに感染すると言われています。ほとんどの場合、HPVに感染しても自分の免疫力によってウイルスは自然に排除されます。しかし、一部の人ではウイルスが排除されずに長期間感染し続けることがあります。このハイリスク型HPVの持続感染が、子宮頸部の細胞に異常(異形成)を引き起こし、それががんへと進行する主な原因となります。
HPV感染経路とリスク
HPVは主に性行為(腟性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスなども含む)によって感染します。皮膚と皮膚、粘膜と粘膜の接触でも感染する可能性があるため、コンドームを使用しても感染を完全に防ぐことは難しいとされています。
HPV感染のリスクを高める要因としては、以下のようなものが考えられています。
- 性交渉経験: 性交渉の経験がある女性は、HPVに感染する可能性があります。初交年齢が低いほど、また性交渉のパートナーが多いほど、HPVに感染する機会が増えると考えられます。
- パートナーの数: パートナーの数が多いほど、多様なタイプのHPVに感染するリスクが高まります。
- 過去の性感染症の既往歴
- 喫煙: 喫煙はHPVの持続感染や、異形成からがんへの進行リスクを高めることが分かっています。
子宮頸がんの原因は旦那ですか?特定のパートナーとの関係性
子宮頸がんの原因がHPV感染であることから、「旦那さん(または特定のパートナー)が原因でがんになったのではないか?」と考える方がいらっしゃるかもしれません。
HPVは性行為によって感染するウイルスですので、性交渉の相手がHPVに感染している場合、その相手から感染する可能性はあります。しかし、HPV感染は非常に一般的であり、多くの人が自覚症状なくウイルスを持っている可能性があります。また、過去のどのパートナーから感染したのかを特定することはほぼ不可能です。
したがって、「旦那さんだけが原因」と断定することはできません。HPV感染は、性交渉の経験がある人であれば誰にでも起こりうることあり、特定のパートナーを責めるべき問題ではありません。大切なのは、感染リスクを下げるための対策(HPVワクチン)や、感染後の異常を早期に発見するための対策(子宮頸がん検診)を行うことです。
男性もHPVに感染しますが、通常は症状が出ないか、尖圭コンジローマなどの良性疾患の原因となることがほとんどです。男性側の感染が女性の子宮頸がんのリスクを高める可能性はありますが、男性の感染経路や対策は女性とは異なります。
性行為以外の原因はありますか?
子宮頸がんの原因の約99%がハイリスク型HPVの性行為による感染であるとされています。したがって、性行為以外の経路で子宮頸がんが発生する可能性は極めて低いと考えられます。
理論的には、性器以外の粘膜接触や、タオルや衣類などを介した間接的な感染の可能性もゼロとは言えませんが、これらの経路による感染は非常に稀であり、子宮頸がんの原因となることはほとんどないと言って良いでしょう。
したがって、性交渉の経験がない女性が子宮頸がんになる可能性は、理論上ゼロではありませんが、統計的に見ると非常に低いと言えます。
子宮頸がんになりやすい人
子宮頸がんの発症には、いくつかのリスク因子が関連していることが分かっています。これらのリスク因子を持っている人が必ず子宮頸がんになるわけではありませんが、リスクが高いと考えられます。
なりやすい人の特徴・リスク因子
子宮頸がんになりやすい人、または子宮頸がんのリスクが高いと考えられる人の特徴やリスク因子は以下の通りです。
- ハイリスク型HPVの持続感染がある人: これが最も重要なリスク因子です。感染しても自然に排除されず、長期間ウイルスが体内に留まっている状態です。
- 喫煙者: 喫煙は免疫機能を低下させ、HPV感染からの自然排除を妨げたり、異形成からがんへの進行を促進したりすることが知られています。受動喫煙もリスクを高める可能性があります。
- 初交年齢が低い人: 性交渉の経験が始まる年齢が早いほど、子宮頸部の細胞が未熟な時期にHPVに曝露される機会が増え、感染しやすくなる可能性があります。
- 性交渉パートナーが多い人: HPVに感染する機会が増えるため、様々な型のHPVに感染するリスクが高まります。
- 免疫抑制状態にある人: HIV感染者や臓器移植などで免疫抑制剤を使用している人は、HPVを排除する能力が低下しているため、持続感染やがん化のリスクが高まります。
- 多産婦: 出産回数が多いこともリスク因子の一つとされていますが、その理由はまだ明確ではありません。
- 子宮頸がんの家族歴: 血縁者に子宮頸がんになった人がいる場合、遺伝的な要因や共通の環境要因が影響している可能性が考えられます。
これらのリスク因子は、子宮頸がんの発生確率を高める要因ではありますが、これらを持たない人が子宮頸がんにならないわけではありませんし、これらを持つ人が必ず子宮頸がんになるわけでもありません。リスク因子を理解することは、予防や早期発見のための行動を起こすきっかけとなります。
若年層での増加傾向
近年、日本で特に問題となっているのが、20代から30代の若い女性の間での子宮頸がんの増加です。
この背景には、いくつかの要因が考えられています。
- 性行動の変化: 性交渉経験を持つ若年層の割合が増加し、初交年齢が低下傾向にあることなど、性行動の変化によりHPVに曝露される機会が増加している可能性があります。
- 子宮頸がん検診の受診率の低さ: 諸外国と比較して、特に若い世代での子宮頸がん検診の受診率が低いことが指摘されています。症状がないために検診を受ける必要性を感じない、学校や職場で受ける機会がない、婦人科受診に抵抗がある、費用がかかるなどの理由が考えられます。
- HPVワクチンの接種率の低迷: 過去の積極的勧奨の中止により、HPVワクチンの接種率が大幅に低下しました。これにより、HPV感染そのものを防ぐ一次予防の効果が十分に発揮されていない状況があります。
これらの要因が複合的に影響し、HPVに感染する機会が増加し、かつ感染後の異常を早期に発見する機会が少ないために、若年層での子宮頸がんが増加していると考えられています。
性交渉経験がない場合のリスク
前述の通り、子宮頸がんの原因のほとんどが性行為によるHPV感染です。したがって、性交渉の経験がない女性が子宮頸がんになる可能性は極めて低いと考えられています。
しかし、ゼロではありません。ごく稀に、性行為以外の経路(例えば、非常に稀な粘膜接触など)でHPVに感染する可能性も考えられますが、これが子宮頸がんにつながることはさらに稀です。
また、過去に性交渉の経験がないと思っていても、オーラルセックスやアナルセックス、性器同士の皮膚接触などでもHPVは感染する可能性があります。
基本的には、性交渉経験がない場合は子宮頸がんのリスクは非常に低いと言えますが、心配な場合は医師に相談することも可能です。ただし、自治体が実施している子宮頸がん検診の対象は「20歳以上の性交渉経験のある女性」としている場合が多いです。
子宮頸がんの検査と診断
子宮頸がんは、定期的な検査によって早期に発見することが可能です。主な検査方法には、子宮頸がん検診(細胞診)や、必要に応じた精密検査があります。
子宮頸がん検診(細胞診)
子宮頸がん検診の中心となる検査は、子宮頸部細胞診( Pap smear )です。これは、子宮頸部の表面から細胞を採取し、顕微鏡でがん細胞や異常な細胞がないかを調べる検査です。
検査方法:
婦人科の内診台で、腟鏡(クスコ)を挿入して子宮頸部を見えるようにします。その後、小さなブラシやヘラのような器具を使って、子宮頸部の表面や子宮頸管(子宮の入り口の管状の部分)の細胞を軽くこすり取ります。採取した細胞はガラス板に塗布したり、液状の保存液に入れたりして、病理医や細胞検査士が顕微鏡で詳しく調べます。
目的:
細胞診の目的は、がんそのものだけでなく、がんになる前の段階である「異形成(いけいせい)」を発見することです。異形成は、細胞にHPV感染による変化が見られる状態であり、軽度、中等度、高度の3段階に分けられます。高度異形成や上皮内がんと呼ばれる状態は、放置すると将来的に浸潤がん(本格的ながん)に進展する可能性が高いため、早期に発見して適切な治療を行うことが重要です。
痛みの有無:
通常、細胞採取の際に痛みはほとんどありませんが、少しこすられるような感覚や、軽い出血がある場合があります。月経中は正確な検査ができないことがあるため、避けて受診するのが一般的です。
結果の見方:
細胞診の結果は、国際的な分類(ベセスダシステムなど)に基づいて報告されます。結果によって、精密検査が必要かどうかが判断されます。
細胞診の結果の代表的な分類:
- NILM (Negative for Intraepithelial Lesion or Malignancy): 異常なし。
- ASC-US (Atypical Squamous Cells of Undetermined Significance): 意義不明な異型扁平上皮細胞。細胞に軽度の変化が見られるが、異形成かどうか判断が難しい場合。
- ASC-H (Atypical Squamous Cells, cannot exclude HSIL): HSILを否定できない異型扁平上皮細胞。高度異形成の疑いがある場合。
- LSIL (Low-grade Squamous Intraepithelial Lesion): 軽度扁平上皮内病変。軽度異形成やHPV感染による変化が疑われる場合。
- HSIL (High-grade Squamous Intraepithelial Lesion): 高度扁平上皮内病変。中等度異形成、高度異形成、上皮内がんが疑われる場合。
- AGC (Atypical Glandular Cells): 異型腺細胞。腺細胞に異常が疑われる場合。子宮頸部の腺がんや子宮体がんの可能性も考慮されます。
- SCC (Squamous Cell Carcinoma): 扁平上皮がん。がん細胞が見つかった場合。
ASC-USやLSILといった軽度の異常の場合は、一定期間を置いて再検査を行ったり、HPV検査を追加で行ったりします。ASC-H、HSIL、AGC、SCCといった異常が見つかった場合は、精密検査が必要となります。
精密検査(コルポスコピー・組織診)
子宮頸部細胞診で要精密検査となった場合に行われるのが、コルポスコピーと組織診です。これらの検査によって、病変の正確な場所や広がり、そして確定診断を行います。
コルポスコピー:
コルポスコピーは、コルポスコープ(腟拡大鏡)という拡大鏡を使って子宮頸部を詳しく観察する検査です。腟鏡を挿入し、子宮頸部に酢酸やヨード液を塗布することで、異常な細胞がある部分は白く変化したり、染まり方が違ったりするため、肉眼では分かりにくい病変の場所や広がりを特定することができます。
組織診:
コルポスコピーで異常が疑われる部分が見つかったら、その場所から小さな組織片を採取します。これが組織診(生検)です。採取された組織は病理医によって詳しく調べられ、異形成の程度(軽度、中等度、高度)や上皮内がん、浸潤がんであるかどうかの確定診断が下されます。
組織採取の際には、少し痛みを感じたり、出血したりすることがあります。検査後数日は少量の出血が続くことがありますが、通常は心配ありません。
これらの精密検査によって、子宮頸部の病変が「異形成」なのか「がん」なのか、「がんの場合はどのくらいの進行度か」といった、正確な診断が確定します。
HPV検査の役割
子宮頸がんの原因がHPV感染であることから、細胞診と並行してHPV検査が行われることがあります。HPV検査は、現在子宮頸部にハイリスク型HPVが感染しているかどうかを調べる検査です。
HPV検査のメリット:
- ハイリスク型HPVが検出されなければ、将来子宮頸がんになるリスクは低いと考えられ、次回の検診まで安心して過ごせる可能性が高まります。
- 細胞診でASC-USといった軽度の異常が見られた場合に、HPV検査を組み合わせることで、精密検査が必要かどうかの判断の精度を高めることができます。HPVが陽性の場合は精密検査へ進み、陰性の場合は経過観察とする、といった判断基準が一般的です。
HPV検査の注意点:
- HPVに感染していること自体は珍しいことではなく、HPVが検出されたからといってすぐにがんになるわけではありません。大切なのは、ウイルスが持続感染し、細胞に異常が起きているかどうかです。
- HPV検査は、がんそのものを見つける検査ではなく、がんの原因となるウイルスの有無を調べる検査です。したがって、細胞診と組み合わせて行うことで、より効果的な検診となります。
HPV検査は、通常、細胞診で異常が見られた場合や、自治体や医療機関によっては特定の年齢層(例えば30歳以上)を対象に細胞診と同時に行われることがあります。
進行度(ステージ)の診断
組織診で子宮頸がんの診断が確定した場合、治療方針を決定するためにがんの進行度(ステージ)を診断します。進行度は、がんが子宮頸部の中でどのくらいの範囲に広がっているか、周囲の臓器(腟、子宮体部、骨盤壁、膀胱、直腸など)への浸潤があるか、リンパ節や遠隔臓器への転移があるか、などを総合的に判断します。
進行度の診断には、以下のような検査が行われます。
- 内診・直腸診: 医師が指で子宮、腟、骨盤内の状態、がんの広がりや硬さ、リンパ節の腫れなどを直接触って確認します。
- 画像検査:
- MRI (磁気共鳴画像): がんの大きさ、子宮頸部内の広がり、周囲組織への浸潤の程度を詳しく調べます。
- CT (コンピューター断層撮影): 骨盤内のリンパ節転移や、肺、肝臓など他の臓器への転移がないかを調べます。
- PET-CT (陽電子放出断層撮影-CT): がん細胞が糖を多く取り込む性質を利用して、全身のがん病変やリンパ節転移、遠隔転移を調べます。
- 膀胱鏡・直腸鏡: がんが膀胱や直腸の粘膜に及んでいる可能性がある場合に行われます。
- 腎盂造影: 尿管が圧迫されていないか、腎臓の機能に問題がないかを調べます。
これらの検査結果に基づいて、がんの進行度がFIGO(国際産婦人科連合)分類という国際的な基準に従って、ステージ0からステージIVまでに分類されます。このステージ分類によって、最適な治療法が選択されます。
子宮頸がんの進行度と生存率
子宮頸がんの進行度(ステージ)は、がんの広がりを示す指標であり、治療方針を決定する上で非常に重要です。また、ステージによって予後(治療後の経過や生存の見込み)が大きく異なります。
ステージ分類について
子宮頸がんの進行度は、国際的な基準であるFIGO分類(2018年改訂版)に基づいて分類されます。ステージは0からIVまであり、数字が大きいほど進行していることを示します。
- ステージ0: 上皮内がん(CIN3相当)。がん細胞は上皮の中にとどまっており、浸潤(しみこむように広がる)はしていません。前がん病変と考えられ、適切な治療でほぼ100%治癒します。
- ステージI: がんは子宮頸部にとどまっています。
- IA期:肉眼では見えず、顕微鏡で確認できる非常に小さながん。
- IB期:肉眼で見えるがん、または顕微鏡的な浸潤がIA期より進んだがん。IB1期、IB2期、IB3期に細分されます。
- ステージII: がんは子宮頸部を超えて広がっていますが、骨盤壁(骨盤の壁)や腟の下3分の1には及んでいません。
- IIA期:腟の上部3分の2に浸潤があるが、子宮傍組織(子宮の周りの組織)には明らかな浸潤がない。
- IIB期:子宮傍組織に明らかな浸潤がある。
- ステージIII: がんが骨盤壁に達しているか、腟の下3分の1に及んでいるか、または腎盂水腫(尿管が圧迫されて腎臓に尿がたまる状態)がある。
- IIIA期:腟の下3分の1に浸潤があるが、骨盤壁には及んでいない。
- IIIB期:骨盤壁に達している、または腎盂水腫がある。
- IIIC期:骨盤リンパ節や傍大動脈リンパ節への転移がある(がんの大きさに関わらずリンパ節転移があればこのステージになる)。IIIC1期(骨盤リンパ節転移)、IIIC2期(傍大動脈リンパ節転移)。
- ステージIV: がんが骨盤腔を超えて広がっているか、膀胱や直腸の粘膜に浸潤しているか、または遠隔臓器(肺、肝臓、骨など)に転移している。
- IVA期:隣接臓器(膀胱、直腸など)に浸潤がある。
- IVB期:遠隔臓器への転移がある。
ステージ別5年生存率
がんの予後を示す指標として、5年相対生存率がよく用いられます。これは、がんと診断された人が、同じ性別・年齢の日本人のうち、がんでないと仮定した場合に5年後に生存している割合と比較した数値です。数値が高いほど、予後が良いことを意味します。
子宮頸がんのステージ別5年相対生存率(2013-2014年診断例)の目安は以下の通りです。これは一般的なデータであり、個々の患者さんの状態(年齢、全身状態、がんの性質、治療への反応など)によって予後は異なります。
ステージ | 5年相対生存率(目安) |
---|---|
0(上皮内がん) | ほぼ100% |
I | 90%以上 |
II | 70-80% |
III | 40-60% |
IV | 10-20% |
参考:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
この表からも分かるように、ステージ0やステージIといった早期に発見された子宮頸がんは、非常に高い確率で治癒します。一方、ステージが進むにつれて生存率は低下します。これは、進行がんでは治療が難しくなったり、再発や転移のリスクが高くなったりするためです。
子宮頸がんは何年生きられますか?
「子宮頸がんは何年生きられますか?」という疑問に対して、一概に「何年」と断言することはできません。がんの進行度や患者さんの状態、選択される治療法などによって、予後は大きく異なるからです。
しかし、前述のステージ別5年相対生存率は、ある程度の目安となります。
- ステージ0やI期で発見・治療された場合、多くの患者さんは5年後、10年後も健康な生活を送ることができます。治癒率が非常に高いため、「治るがん」と言えるでしょう。
- ステージII期でも、適切な治療を受ければ高い生存率が期待できます。
- ステージIII期やIV期といった進行した状態で見つかった場合は、残念ながら治療が難しくなり、予後は厳しくなります。しかし、化学療法や放射線療法など、様々な治療を組み合わせることで、がんの進行を抑えたり、症状を和らげたりすることは可能です。
重要なのは、子宮頸がんは早期発見・早期治療によって救われる命が多くあるということです。症状が出てからではなく、症状がないうちから定期的に子宮頸がん検診を受けることが、自身の命を守るために最も効果的な手段なのです。
子宮頸がんの治療法
子宮頸がんの治療法は、がんの進行度(ステージ)、患者さんの年齢、全身状態、今後の妊娠・出産を希望するかどうかなどを考慮して決定されます。主な治療法には、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤治療)があります。
異形成・上皮内がんの治療
がんになる前の段階である異形成や、ごく早期のがんである上皮内がん(ステージ0)は、比較的簡単な治療で完治が期待できます。
- 経過観察: 軽度異形成など、自然に治る可能性のある病変の場合は、定期的な細胞診やコルポスコピーで経過を観察することがあります。
- レーザー蒸散術: 病変が小さい場合に行われる治療法です。レーザー光線を照射して、異常な細胞の層を蒸散(焼き飛ばす)させます。外来または数日間の入院で行われることが多く、体への負担が少ない方法です。
- 円錐切除術: 異形成や上皮内がん、またはごく早期の浸潤がん(ステージIA期の一部)の場合に行われます。子宮頸部の病変のある部分を円錐状に切除する手術です。診断と治療を兼ねる手術であり、この手術で病変が完全に切除できれば、それ以上の治療は不要となることもあります。
早期子宮頸がんの手術
ステージIA期やIB期の一部、IIA期の一部といった早期の子宮頸がんに対しては、手術療法が標準的な治療法となります。
円錐切除術
円錐切除術は、前述の通り異形成や上皮内がんだけでなく、ごく早期の浸潤がん(ステージIA期のごく一部)の治療としても行われます。
目的:
がん病変を完全に切除し、治癒を目指します。また、採取した組織を詳しく調べることで、がんの正確な進行度(浸潤の深さなど)を確定診断する目的もあります。
方法:
子宮頸部の病変を含む部分を円錐形に切り取ります。メスやレーザー、高周波メスなどを用いて行われます。入院期間は数日から1週間程度が一般的です。
メリット:
がん病変を局所的に切除するため、子宮体部を残すことができ、将来の妊娠・出産(妊孕性)を温存できる可能性があります。特に若い女性で、ステージIA期のごく早期のがんの場合に選択されることがあります。
デメリット:
子宮頸部の一部を切除するため、術後に子宮頸管が短くなり、妊娠した際に早産や流産のリスクがわずかに上昇することがあります。また、術後に出血や感染などの合併症が起こる可能性もあります。切除した組織の断端にがん細胞が残っていた場合(断端陽性)、再手術や追加治療が必要になることがあります。
単純子宮全摘術
子宮頸がんが子宮頸部内にとどまっているが、円錐切除術では不十分と判断された場合や、患者さんが妊娠を希望しない場合、あるいは高齢の場合などには、単純子宮全摘術が行われることがあります。
目的:
がんのある子宮を摘出することで治癒を目指します。
方法:
子宮頸部から子宮体部まで、子宮全体を摘出する手術です。周囲の組織やリンパ節は基本的に切除しません。お腹を切って行う開腹手術、腹腔鏡(小さなカメラ)を使った腹腔鏡手術、ロボット支援手術など、様々な方法で行われます。
デメリット:
子宮を摘出するため、妊娠・出産は不可能になります。
進行子宮頸がんの治療(広汎子宮全摘術、放射線療法、化学療法)
ステージII期の一部、III期、IV期といった進行した子宮頸がんに対しては、がんの広がりや周囲臓器への浸潤、リンパ節転移の状況に応じて、手術療法、放射線療法、化学療法、あるいはこれらの治療法を組み合わせた集学的治療が行われます。
- 広汎子宮全摘術:
ステージI期の一部やII期の一部など、がんが比較的早期でも周囲に広がっている可能性がある場合に行われる手術です。子宮だけでなく、腟の一部、子宮傍組織(子宮の周りの組織)、骨盤内のリンパ節を広範囲に切除します。再発を防ぐために重要な手術ですが、体への負担が大きく、様々な合併症(排尿障害、リンパ浮腫など)のリスクがあります。妊孕性の温存はできません。 - 放射線療法:
高エネルギーのX線やガンマ線などを体の外から照射したり(外部照射)、子宮や腟の中に放射性物質を挿入して内側から照射したり(腔内照射)することで、がん細胞を破壊する治療法です。手術が難しい進行がんや、全身状態が手術に適さない場合、リンパ節転移がある場合などに選択されます。化学療法と組み合わせて行う(同時化学放射線療法)のが一般的です。
副作用: 治療期間中に皮膚炎、下痢、吐き気、疲労感などが見られます。長期的な副作用として、腟の狭窄、膀胱や直腸の機能障害、リンパ浮腫などが起こる可能性があります。 - 化学療法(抗がん剤治療):
抗がん剤を点滴などで投与し、がん細胞を攻撃する治療法です。放射線療法と同時に行うことで治療効果を高めたり、遠隔転移がある場合の全身治療として行われたりします。近年では、特定の分子を標的とする分子標的薬や、免疫の力を使ってがん細胞を攻撃する免疫チェックポイント阻害薬なども進行子宮頸がんの治療に使われることがあります。
副作用: 脱毛、吐き気、白血球減少、しびれ、腎臓への負担など、使用する薬剤によって様々な副作用が現れる可能性があります。
進行子宮頸がんの治療は、患者さんの状態やがんの性質に合わせて、これらの治療法を最適な組み合わせで行います。治療が長期間に及ぶことも多く、副作用対策や精神的なサポートも重要になります。
子宮頸がんの予防
子宮頸がんは、原因が明らかになっているため、予防が可能な「予防できるがん」と言われています。主な予防方法は、HPVワクチン接種(一次予防)と子宮頸がん検診(二次予防)です。
HPVワクチンの効果と種類
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPV(特に16型と18型)の感染を防ぐワクチンです。HPV感染そのものを防ぐことで、前がん病変や子宮頸がんの発生を大幅に減らす効果が期待できます。
HPVワクチンの種類:
現在日本で承認・接種可能なHPVワクチンは、以下の種類があります。
ワクチンの種類 | 防ぐHPVの型 | 定期接種の対象者(標準的な接種期間) | 接種回数 |
---|---|---|---|
2価ワクチン | HPV16型、18型 | 小学6年生~高校1年生相当の女性 | 3回 |
4価ワクチン | HPV6型、11型、16型、18型 | 小学6年生~高校1年生相当の女性 | 3回 |
9価ワクチン | HPV6型, 11型, 16型, 18型, 31型, 33型, 45型, 52型, 58型 |
小学6年生~高校1年生相当の女性(令和5年4月1日より定期接種の対象) | 2回または3回 |
※9価ワクチンは、接種開始年齢によって接種回数が異なります(初回接種を15歳になるまでに受ける場合は2回、15歳になってから受ける場合は3回)。
HPVワクチンは、性交渉を開始する前に接種することで最も高い効果が得られます。これは、HPVに感染する前に免疫をつけておくことができるからです。定期接種の対象年齢は、子宮頸がんや前がん病変になるリスクが高い年齢層での発症を防ぐために、小学6年生から高校1年生相当の女性が対象とされています。
HPVワクチンについては、過去に一時的に積極的な勧奨が差し控えられた時期がありましたが、ワクチンの有効性や安全性に関するその後の評価を踏まえ、現在は積極的な勧奨が再開されています。多くの自治体で、対象者への予診票の送付などが行われています。
副反応についても懸念されることがありますが、多くの研究でワクチン接種による重篤な健康問題が増加する根拠は示されていません。接種部位の痛みや腫れ、発熱などが主な副反応ですが、これらは他のワクチンでも見られる一般的なものです。まれな副反応についても、適切な情報提供と相談体制が整備されています。
子宮頸がん検診の重要性
HPVワクチンはHPV感染を防ぐ「一次予防」ですが、子宮頸がん検診は、がんになる前の状態(異形成)や、ごく早期のがんを発見するための「二次予防」です。
子宮頸がん検診によって、異形成や早期がんを発見し、進行する前に治療することで、子宮頸がんによる死亡を大幅に減らすことができます。症状がないうちに見つけることが、治療の選択肢を広げ、治癒率を高めることにつながります。
たとえHPVワクチンを接種していても、すべてのハイリスク型HPV感染を防げるわけではないため、子宮頸がん検診も併せて受けることが推奨されています。
検診の対象者と頻度
日本における子宮頸がん検診の対象者と推奨される頻度は以下の通りです。
- 対象者: 20歳以上の女性
- 推奨される頻度: 2年に一度
自治体や職場で実施される子宮頸がん検診は、通常2年に一度の頻度で行われています。20歳になったら、お住まいの自治体から送られてくる検診の案内などを確認し、ぜひ検診を受けましょう。
性交渉の経験がない場合は、子宮頸がんのリスクは低いと考えられますが、自治体によっては性交渉経験の有無にかかわらず20歳以上の女性を対象としている場合もあります。不安な場合は、検診の対象について自治体の担当窓口や医療機関に相談してみてください。
検診を受けることの意義を改めて考えてみましょう。 子宮頸がんは、早期に発見すれば子宮を温存できる可能性もあり、治療による体への負担も少なく済みます。しかし、進行してしまうと、子宮摘出や広範囲な手術が必要になったり、放射線療法や化学療法といった体力のいる治療が必要になったりします。そして、それでも治療が難しく、命に関わることもあります。たった数分間の検査で、将来の大きなリスクを回避できる可能性があるのです。
婦人科の受診に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、子宮頸がん検診は多くの女性が受ける大切な検査です。勇気を出して一歩踏み出すことが、ご自身の健康と未来を守ることにつながります。
もし、不正出血やおりものの異常など、気になる症状がある場合は、検診を待たずに速やかに婦人科を受診してください。
子宮頸がんに関するよくある質問
子宮頸がんについて、多くの方が抱いている疑問にお答えします。
子宮頸がんと保険について
子宮頸がんと診断された場合、加入している医療保険やがん保険の給付金が支払われる可能性があります。
- 医療保険: 入院給付金や手術給付金などが、契約内容に応じて支払われます。子宮頸がんの治療のための入院や手術が対象となります。
- がん保険: がんと診断された時に一時金が支払われる診断給付金、入院・手術・放射線治療・抗がん剤治療などに対する給付金などが、特約として付いている契約で支払われます。
また、日本の公的医療保険制度には、高額療養費制度があります。これは、ひと月の医療費の自己負担額が高額になった場合に、定められた上限額を超えた分が払い戻される制度です。子宮頸がんの治療は高額になることが多いため、この制度を利用することで医療費の負担を軽減することができます。
ただし、保険の給付内容や適用条件は、ご加入の保険契約によって異なります。ご自身の保険証券や契約内容を確認するか、保険会社に問い合わせてみることをお勧めします。
子宮頸がんの死亡率
子宮頸がんの死亡率は、かつてに比べて低下傾向にありますが、近年は特に若い世代で罹患率(かかる人の割合)が増加しているため、死亡者数も横ばい傾向にあります。
厚生労働省のデータによると、日本では年間約2,800人が子宮頸がんによって命を落としています。これは、決して少ない数ではありません。しかし、先進国の中で、子宮頸がん検診の受診率が高い国では、子宮頸がんの罹患率も死亡率も減少しています。
子宮頸がんによる死亡を減らすためには、何よりも「早期発見」が鍵となります。 ステージ0やI期で見つかれば、治癒率は非常に高く、死亡に至ることはほとんどありません。検診を受けずに放置し、進行した状態で見つかった場合、残念ながら命を落とすリスクが高まります。
HPVワクチンによる予防と、定期的な子宮頸がん検診による早期発見・早期治療が、子宮頸がんによる悲劇を減らすための最も効果的な方法です。
まとめ:早期発見のために検診を受けましょう
子宮頸がんは、主にHPV感染が原因で起こるがんです。特に20代から30代の若い女性の間で増加傾向にあり、症状がないまま進行することが少なくありません。
しかし、子宮頸がんは予防できるがんであり、また早期に発見すれば治癒率が非常に高いがんでもあります。
子宮頸がんからご自身の命を守るために、以下の2つの対策が非常に重要です。
- HPVワクチンの接種: 子宮頸がんの原因となるHPV感染を防ぐための有効な手段です。定期接種の対象年齢(小学6年生~高校1年生相当の女性)の方は、積極的な接種を検討しましょう。キャッチアップ接種の対象者(平成9年度生まれ~平成18年度生まれの女性等)の方も、時限措置がありますので、接種を検討しましょう。
- 定期的な子宮頸がん検診の受診: 20歳になったら、2年に一度、子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診(細胞診))を受けましょう。症状がないうちから受けることが、前がん病変や早期がんを発見し、命を守ることにつながります。
子宮頸がん検診は、あなたの健康を守るための大切な機会です。仕事や育児で忙しい、婦人科に行くのが怖い、恥ずかしいなど、様々な理由で検診をためらっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、検診にかかる時間はわずかです。勇気を出して一歩踏み出し、ぜひ定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。それが、ご自身のため、そして大切なご家族のためにもなります。
もし、不正出血やおりものの異常など、気になる症状がある場合は、検診を待たずに速やかに婦人科を受診してください。
この記事が、子宮頸がんに関する正しい知識を得て、予防や検診といった行動を起こすきっかけになれば幸いです。
【免責事項】
本記事は、子宮頸がんに関する一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な助言や診断、治療を代替するものではありません。個々の症状や治療については、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。情報の正確性には万全を期していますが、内容の利用によって生じたいかなる結果についても、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。医療情報は日々進歩するため、最新の情報については専門家にご確認ください。
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